TravisMathew トラヴィスマシュー

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2022.12.04

EPISODE 01: 加藤嵐 ARASHI KATO

「トラヴィスマシュー」の世界観を体現している方から、仲間との時間、スポーツシーン、普段の過ごし方など、さまざまなシーンでの「GOOD TIMES(心地よい時間)」について語っていただき、ご自身のライフスタイルとトラヴィスマシューとの「GOOD TIMES」についても教えていただきます。最初のゲストはプロサーファー加藤嵐さんです。
 
 
──加藤さんは、サーフィンの大会でどのような1日を過ごされるのでしょうか。
 
試合がスタートする3時間前くらいに起床し、そこから一度練習をして、ご飯を食べます。会場には1時間前くらいに入って、波の状態を見て試合に臨むという感じですね。終わったら、リカバリーのためにストレッチポールなどを使って体をほぐしたり、クールダウンをしたりして、それから夕飯を食べて就寝というスケジュールです。夕飯はだいたい20時くらいでしょうか。サーフィンは試合のあるシーズンだと日が長いので、いつも夕暮れの18時、夏になれば19時半くらいまで海に入っています。就寝は、翌朝の試合の時間から逆算して、6~7時間の睡眠を取りますから、だいたい22時、23時までには絶対に寝ようと思っています。
 
──なんだか、ゴルファーの生活に似ていますね。
 
そうですね。めちゃくちゃ朝型です。僕たちはよく波を狙って、拠点としている千葉から湘南などにも行ったりするのですが、朝、日が昇る前に高速道路に乗ると、市原鶴舞のインターチェンジ(首都圏中央連絡自動車道)でたくさんクルマが降りていきます。ゴルファーとサーファーが、都心から千葉に来て、市原鶴舞で降り、ゴルフコースに行く人と海に行く人に分かれていくんですよね。生活リズムや時間帯は、すごく似ていると思います。
 
 
──オフのときは、どのようなことをされているのですか。
 
日本と海外の試合を回っていたので、いままではずっとオフがなかったんです。でも、ここ最近は海外の試合がないので、オフの時間ができました。夏はサーフィンがメインですが、春秋冬はゴルフとスノーボードをしていますね。ゴルフコースが家から5分なので、午前はサーフィンをして、夕方は波が良くないから午後にハーフを回ろうとか、朝起きて、今日は波がダメだからラウンドしようとかいったこともあります。何日も前からコースの予約をするということは、ほとんどないですね(笑)。
 
──ゴルフをされるようになったきっかけは、どんなことだったんですか。
 
以前も経験はあったのですが、新型コロナウイルスのパンデミックになってから、ずいぶんとプレーするようになりました。日本も含めて世界の試合が全部、2年ほどなくなってしまったときに、知人がゴルフをしていたということと、ゴルフコースが家の近くにあるということが重なって、ゴルフをやるようになりました。やっているうちに、サーフィンとの共通点も自分なりに感じられて、ゴルフがどんどんおもしろくなっていったんですよね。
 
 
──サーフィンとゴルフの共通点とは、具体的にどんなところでしょうか。
 
僕が思ったのは、股関節の使い方です。股関節で溜めた力をどう使っていくかというところを、すごくサーフィンに取り入れたくなったんです。そこに気づいてから、どんどんゴルフをする時間が増えました。サーフィンに対して、体の使い方をもっとこうしていこうという自分のなかの具体的なビジョンができましたし、自分としてはそこが一番ゴルフでびっくりしたことです。ほかのスポーツには、あまり感じたことがなかったので。おもしろい発見でした。
 
 
──サーフィンの経験で、たとえば風向きなど、ゴルフに役立つところもあるんじゃないですか。
 
ありますね。天気が悪くなるなとか、雲はこっちに流れているけど、感じは逆じゃないかとか。あとは、役立つということでもないですが、風が吹いているとテンションが上がります。サーフィンで風のことはよくわかっているので、「風は友だちだから」とか言いながら、自信満々で打ちます。結果は別ですけどね(笑)。また、むしろコースも空いてるということで、雨でもゴルフに行きますね。みなさん、天気のいいときに行きたいのだと思いますが、僕たちは濡れるのも平気ですから、雨が嫌だとかいったことはありません。「今日は人いないの?じゃあ、行こうよ」みたいなことはけっこうあります。プロサーファーの友だちも、「ああ、いいよ、行こう」って、別に気にしませんね。
 
 
──サーファーの方には、ゴルフが好きな人も多いですか。
 
そうですね。世界チャンピオンを何回も取っている海外の選手は、アメリカでプロアマの試合に出ていたりもします。やっぱりハワイに行ってもゴルフ場が近くにありますし、オーストラリアもそうですし、ヨーロッパも含めて、なんだかんだでゴルフコースが近いですから。サーフィンができないときに何をするかとなったときに、ゴルフに行くというのは、日本の選手も海外の選手もみんな共通してありますね。言葉が通じなくても、「ゴルフに行くなら俺も行く」という感じで、みんなで遊んだりすることもあります。──ゴルフのときは、トラヴィスマシューのウェアを着ていただいているようですが、どんなところが気に入っていますか。トラヴィスマシューは、こだわって良い製品を出していて、シンプルなデザインのなかに、さりげなくロゴを入れたりしているところも、すごく好きです。初めからゴルフウェアというよりも、シンプルでカッコいい洋服がゴルフブランドだったという感じです。知り合いから、いいねと言ってもらうこともすごくあります。トラヴィスマシューの名前を知っている人も多いですね。周りの人が、「俺も着るようになったよ」とか言ってくれたこともあります。
 
 
──トラヴィスマシューは、カリフォルニアのハンティントンビーチで生まれたわけですが、ウェアからサーフィンの文化を感じたりしますか。
 
サーフブランドに似ているという言い方はおかしいかもしれませんが、サーフブランドっぽいデザイン性だったり、ロゴだったりといった部分もありつつ、シンプルで、カチッとしたところもあるということで、やっぱりゴルフブランドというよりは、いろんな要素を兼ね備えているという感じがします。遊ぶこともできるし、ちゃんとすることもできるということですね。僕も友だちも、トラヴィスマシューのショートパンツを海で履いたりして、そのパンツでまたゴルフをしたりもします。かなり使っていますね。
 
 
──そんな加藤さんにとって、このインタビューのタイトルであるGOODTIMES(心地よい時間)は、やっぱり海のなかにいるときということになりますか。
 
僕は海に限らず、山も好きですし、ゴルフ場の雰囲気もすごく好きです。自然のなかにいるのが好きなんです。海に限らず、自然と触れ合っている時間が僕にはいちばんいい時間というか、本当の自分でいられる感じです。サーフィンもそうですけど、答えがないものに対して、みんなでいろんな方向からアプローチしていくということが好きなんですよね。理論的にというよりは、自分なりにあの技はどうやってやるんだろうとか考えたりすることが、僕も含めて、けっこうサーファーには多いんです。
 
 
──では、時間ではなく、いままでいちばんの場所を挙げるとすればどこですか。
 
住みたいところはほかにもいっぱいありますけど、もっとも記憶に残っているのは、それこそハンティントンビーチです。世界的な試合(2017年QS1500 Jack’s Surfboards Pro)で初めて2番になったところで、試合での感覚が良く、乗っていてやりたいように試合を運ぶことができ、完璧な展開で決勝戦まで行けたので、思い出の場所です。トラヴィスマシューにピッタリですよね(笑)。たまたまなんですけどね。その思い出は、かなり大きいです。
 
 
──ちなみに、住みたい場所というのはどこになりますか。
 
ポルトガルです。白夜で夜11時くらいまで明るいため、サーフィンをできる時間がすごく長いですし、波もコンスタントにあるというのが理由ですね。日本では、日が出ている時間は12時間くらいしかないじゃないですか。でも向こうは、1日18時間くらいなので、それだけ練習できる時間が長いんです。サーファーの僕たちとしては、すごくうらやましいなと思います。具体的な場所で言うと、カスカイスとか、あとはサンタクルースですね。本当にずっと波があって、波がないのは港のなかくらい。テンションが上がりっぱなしです(笑)。──最後に、今後や将来の目標をお聞かせください。2021年の東京オリンピックによって、サーフィンに興味を持っていただいたり、サーフィンというものをようやく多くの人に認識していただいたりしたと思います。ぜひこの機会に、1人でも多くの人にサーフィンを続けてほしいというよりも、サーフィンを楽しいと思ってもらえる人をもっと増やしていけたら、すごくうれしいです。そこはずっと前から、僕たちサーファーの課題と言いますか、ずっと取り組んでいかなければいけないところでもありました。より多くの人に、入り口がいっぱいあって、もっとサーフィンはやりやすいものなんだということや、海で楽しく遊ぶことができるといったことを知ってもらえたらいいなと思いますね。
 
 
 
ARASHI KATO
 
WSL(ワールドサーフリーグ)を中心に世界で活躍中の日本を代表するトッププロサーファー。日本国内ではJPSA(日本プロサーフィン連盟)ショートボード男子において2016年~2018年と3年連続の年間チャンピオン『3連覇』を達成!父親の影響で5歳からサーフィンを始め、15歳の時にジュニア全日本チャンピオンを獲得。16歳で正式にプロへ転向。17歳の時に「JPSA Rookie of the Year」にも選ばれた。