「トラヴィスマシュー」の世界観を体現している方から、仲間との時間、スポーツシーン、普段の過ごし方など、さまざまなシーンでの「GOOD TIMES(心地よい時間)」について語っていただき、ご自身のライフスタイルとトラヴィスマシューとの「GOOD TIMES」についても教えていただきます。最初のゲストはプロサーファー加藤嵐さんです。
──加藤さんは、サーフィンの大会でどのような1日を過ごされるのでしょうか。
試合がスタートする3時間前くらいに起床し、そこから一度練習をして、ご飯を食べます。会場には1時間前くらいに入って、波の状態を見て試合に臨むという感じですね。終わったら、リカバリーのためにストレッチポールなどを使って体をほぐしたり、クールダウンをしたりして、それから夕飯を食べて就寝というスケジュールです。夕飯はだいたい20時くらいでしょうか。サーフィンは試合のあるシーズンだと日が長いので、いつも夕暮れの18時、夏になれば19時半くらいまで海に入っています。就寝は、翌朝の試合の時間から逆算して、6~7時間の睡眠を取りますから、だいたい22時、23時までには絶対に寝ようと思っています。
──なんだか、ゴルファーの生活に似ていますね。
そうですね。めちゃくちゃ朝型です。僕たちはよく波を狙って、拠点としている千葉から湘南などにも行ったりするのですが、朝、日が昇る前に高速道路に乗ると、市原鶴舞のインターチェンジ(首都圏中央連絡自動車道)でたくさんクルマが降りていきます。ゴルファーとサーファーが、都心から千葉に来て、市原鶴舞で降り、ゴルフコースに行く人と海に行く人に分かれていくんですよね。生活リズムや時間帯は、すごく似ていると思います。
──サーファーの方には、ゴルフが好きな人も多いですか。
そうですね。世界チャンピオンを何回も取っている海外の選手は、アメリカでプロアマの試合に出ていたりもします。やっぱりハワイに行ってもゴルフ場が近くにありますし、オーストラリアもそうですし、ヨーロッパも含めて、なんだかんだでゴルフコースが近いですから。サーフィンができないときに何をするかとなったときに、ゴルフに行くというのは、日本の選手も海外の選手もみんな共通してありますね。言葉が通じなくても、「ゴルフに行くなら俺も行く」という感じで、みんなで遊んだりすることもあります。──ゴルフのときは、トラヴィスマシューのウェアを着ていただいているようですが、どんなところが気に入っていますか。トラヴィスマシューは、こだわって良い製品を出していて、シンプルなデザインのなかに、さりげなくロゴを入れたりしているところも、すごく好きです。初めからゴルフウェアというよりも、シンプルでカッコいい洋服がゴルフブランドだったという感じです。知り合いから、いいねと言ってもらうこともすごくあります。トラヴィスマシューの名前を知っている人も多いですね。周りの人が、「俺も着るようになったよ」とか言ってくれたこともあります。
──トラヴィスマシューは、カリフォルニアのハンティントンビーチで生まれたわけですが、ウェアからサーフィンの文化を感じたりしますか。
サーフブランドに似ているという言い方はおかしいかもしれませんが、サーフブランドっぽいデザイン性だったり、ロゴだったりといった部分もありつつ、シンプルで、カチッとしたところもあるということで、やっぱりゴルフブランドというよりは、いろんな要素を兼ね備えているという感じがします。遊ぶこともできるし、ちゃんとすることもできるということですね。僕も友だちも、トラヴィスマシューのショートパンツを海で履いたりして、そのパンツでまたゴルフをしたりもします。かなり使っていますね。
──そんな加藤さんにとって、このインタビューのタイトルであるGOODTIMES(心地よい時間)は、やっぱり海のなかにいるときということになりますか。
僕は海に限らず、山も好きですし、ゴルフ場の雰囲気もすごく好きです。自然のなかにいるのが好きなんです。海に限らず、自然と触れ合っている時間が僕にはいちばんいい時間というか、本当の自分でいられる感じです。サーフィンもそうですけど、答えがないものに対して、みんなでいろんな方向からアプローチしていくということが好きなんですよね。理論的にというよりは、自分なりにあの技はどうやってやるんだろうとか考えたりすることが、僕も含めて、けっこうサーファーには多いんです。
──では、時間ではなく、いままでいちばんの場所を挙げるとすればどこですか。
住みたいところはほかにもいっぱいありますけど、もっとも記憶に残っているのは、それこそハンティントンビーチです。世界的な試合(2017年QS1500 Jack’s Surfboards Pro)で初めて2番になったところで、試合での感覚が良く、乗っていてやりたいように試合を運ぶことができ、完璧な展開で決勝戦まで行けたので、思い出の場所です。トラヴィスマシューにピッタリですよね(笑)。たまたまなんですけどね。その思い出は、かなり大きいです。
──ちなみに、住みたい場所というのはどこになりますか。
ポルトガルです。白夜で夜11時くらいまで明るいため、サーフィンをできる時間がすごく長いですし、波もコンスタントにあるというのが理由ですね。日本では、日が出ている時間は12時間くらいしかないじゃないですか。でも向こうは、1日18時間くらいなので、それだけ練習できる時間が長いんです。サーファーの僕たちとしては、すごくうらやましいなと思います。具体的な場所で言うと、カスカイスとか、あとはサンタクルースですね。本当にずっと波があって、波がないのは港のなかくらい。テンションが上がりっぱなしです(笑)。──最後に、今後や将来の目標をお聞かせください。2021年の東京オリンピックによって、サーフィンに興味を持っていただいたり、サーフィンというものをようやく多くの人に認識していただいたりしたと思います。ぜひこの機会に、1人でも多くの人にサーフィンを続けてほしいというよりも、サーフィンを楽しいと思ってもらえる人をもっと増やしていけたら、すごくうれしいです。そこはずっと前から、僕たちサーファーの課題と言いますか、ずっと取り組んでいかなければいけないところでもありました。より多くの人に、入り口がいっぱいあって、もっとサーフィンはやりやすいものなんだということや、海で楽しく遊ぶことができるといったことを知ってもらえたらいいなと思いますね。